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IP Update

USPTO、PTAB 審判実務ガイド第二版を発表 (パート2)

July 23, 2019

By Daniel C. Cooley; Joshua L. Goldberg; Daniel F. Klodowski

2019年7月15日、米国特許商標庁 (USPTO)は、AIA審判手続を規定する審判実務ガイド(TPG)の第二版をリリースしました。本ガイダンスに規定される審判手続きは、特許審判部 (PTAB)による異議申立手続きとしても知られています。このIP Updateでは、第二版にある更新事項のうち、影響が大きいと考えられる点につきパート1、パート2、の2回にわたり取り上げます。

クレーム補正の申立           

  • パイロットプログラム: AIAレビュー(IPR、PGR)におけるクレーム補正申立については、現在精査中であるとし、2019年3月15日よりパイロットプログラムが施行されています。(TPG3, 33)
  • 立証責任の基準: クレーム補正の申立てで提示された代替クレームについての特許性の説明責任は、特許権者にはありません。(TPG3, 34) 通常、その説明責任は請求人側に生じ、代替クレーム案の非特許性を示す必要があります。また、請求人が審理への参加を取り止めた場合などには、審判部自体が審理の記録を証拠として参照し、非特許性の根拠を示すことが認められています。()審判部は「証拠の優越(preponderance of the evidence)」基準に基づき、証拠全体を考慮して特許性を査定します。(Id.)
  • 補正申立の内容: 補正申立には、「クレームリストを含み、求めている変更を明確に示し、かつその特許の原開示及び依拠される先の出願が追加又は補正される各クレームをどう裏付けているか」を説明しなければなりません。(TPG3, 35)特許権者は、「各代替クレームに付加した特徴及び新たなクレーム文言に対するクレーム解釈案を特定すべきであり、」また、必須ではないが、「代替クレーム案の特許性について主張ができ、その際専門家の証言を得て主張を裏付けることもできる。」(TPG3, 36)としています。
  • クレーム解釈: 2018年11月13日以降に請求したAIA審判手続きについては、「S.C.§282 (b) に基づく民事訴訟と同様のクレーム解釈基準」が適用されます。(TPG3, 36)特許権者は、審判部に対し、補正クレームと原クレームが35 U.S.C.§252の意味において実質的に同一だと決定するよう求めることができます。(TPG3, 36-37)
  • 冒認手続きにおける補正: 請求人又は被請求人は、正当な理由を提示することでクレーム補正の申立をすることができます。例えば、補正が当事者間の和解を実質的に前進させる場合、又は請求の取消を求める場合などです。(TPG3, 37) 「しかし、係争中の全てのクレームの取り消しを求める請求は不利な判決への請求として扱われる。」としています。
  • 遅い補正申立: 補正申立は、特許権者の応答期限日までに提出することになっていますが、「係争中の争点を減らす目的でクレームを取り消す場合の申立については、一般的に審理の後半においても認められています。単純かつ明白な誤植を訂正する目的の補正申立も同様に扱われます。」(TPG3, 37)
  • 補正に対する異議申立の根拠: 請求人は、補正を申し立てた特許権者に対し、代替クレーム案から生じる新たな争点に応答することができ、またその際に新たな証拠を提示することもできます。(TPG3, 39) 請求人は、当初の請求では許可されなかっただろうとする代替クレームの非特許性の根拠(例えば、§101及び§112に基づく根拠)を提起することができます。

審理の併合申立て

  • 申立可能時期: 審理開始から1か月以内であれば、当事者は併合申立てを行い、最初に開始された審理手続への参加を求めることが認められています。(TPG3, 41-42)
  • 併合申立てに対する審判部の検討事項: 審判部は、「審理の併合が適切である理由、二回目の請求で新たな非特許性の根拠が提示されたかどうか、併合が認められた場合は1回目の請求に対する費用や審理日程にどの程度の影響があるか、ブリーフィング及び/又はディスカバリー手続きを複雑化させるか、」等を重点的に見て審理の併合を許可するか検討します。(TPG3, 42)
  • 併合決定の裁量: 審判部は、既に当事者である請求人を審理に参加させ、現行の審理に新たな争点を併合することができる裁量権を有します。(TPG3, 42) また、§315 (b) で定められたIPR手続き期限が関係する案件において、当該案件の請求人が同一の当事者かつ/又は争点の併合を行う場合、審判部は、併合を許可する裁量権を行使できます。ただし、それは公平性の観点から要求される場合、及び当事者に対する不当な損害を回避する場合に限られるとし、審判部がそのような併合を許可する裁量権を行使するのは、「非常に限られた状況でのみ」としています。()
  • 併合審理における最終決定の日程調整:「複数の当事者が併合する審理では、審判部は最終決定の法定期限である1年を調整できることが認められています。」(TPG3, 43) 「審理開始日から1年以内に最終決定通知が発行できるよう努める」としながらも、最終決定書面の発行が延長できますが、延長期間は「できる限り」6か月以内に留めるとしています。(TPG3, 44)

最終決定

  • 最終決定の時期:当事者系異議申立手続き(IPR)、「付与後異議申立手続き(PGR)、及びビジネス方法特許異議申立手続き(CBM)において、審判部は、審理開始日から1年以内に最終決定を行うとしています。この最終決定時期は正当な理由がある場合、6カ月まで延長可能であり、併合審理の場合も延長が認められています。(TPG3, 44) 冒認手続きにおいても同様に、審査開始日から1年以内の決定通知発行というタイムラインになる見込みです。(TPG3, 45)
  • 差戻し審: 審判部は、「連邦巡回控訴裁判所(CAFC)から差し戻された案件につき、差戻し審理の判断を、CAFCの命令を受領してから6カ月以内に行うことを目指している」と述べています。(TPG3, 45)差戻しの手続き及び手続きの進み具合は、審判部の標準運営手順9(Standard Operating Procedure 9)にあるように、各案件の状況により異なります。
  • 差戻し審に向けた第一回目の電話会議: 差戻し審の当事者らは、CAFC命令発行後10営業日以内に審判部と連絡を取り、電話会議を設定することになっています。(TPG3, 45-46) 電話会議はCAFC命令発行後最初の1か月以内に実施すべきとしています。(TPG3) 電話会議の前に当事者らは、差戻し審に関する話し合いの協議をしなければなりません。検討事項には、 (1) 追加ブリーフィングの必要有無; (2)ブリーフィングにおける係争物の制限;(3) ブリーフィングの長さ;(4)ブリーフィングの提出は同時に行うのか、順次か;(5) 順次提出の場合、ブリーフィングを最初に開始するのはどの当事者か;(6) どちらかの当事者による第二のブリーフィングの提出を認めるか否か;(7) ブリーフィングの日程;(8) 証拠記録の補充を認めるべきか否か; (9)もし追加証拠がある場合、その証拠の種類に制限はあるか;(10) もし追加証拠がある場合には、その提出期限;又 (11)その他関連手続きに関する検討事項 (TPG3, 46) などがあります。
  • 差戻し審の手続き: 審判部は、当事者らの立場を検討した上で、追加ブリーフィング及び証拠を認めるか否かといった差戻し審の手続きを決定します(TPG3, 46)。審判部は、当事者らが差戻しとなった争点に対処する十分な機会を既に有していたかどうか検討でき、また、追加ブリーフィングが認められた場合は、一般的に差し戻しによって提起された特定的問題に制限されます。(TPG3, 47)
  • 差戻し審での新たな証拠の提示: CAFCの意見書によって審判部が証拠記録の受け入れを再開する旨が指示されていなければ、追加証拠の提出を求める場合には、その正当な理由を示さねばなりません。(TPG3, 47)
  • 差戻し審での口頭審理: 「多くの場合、追加の口頭審理は、既存の記録及びこれまで行われた口頭弁論で通常十分であるため、許可されません。ただし、新たな証拠が認められる場合には、追加の口頭弁論が認められます。」(TPG3, 47)
  • 差戻し審の停止: 正当な理由がなければ、「差戻し審は、一度CAFCの命令が発行されると、たとえ当事者が最高裁判所に上告状を請求した場合であっても、一般的には停止されません。」(TPG3, 48)当事者は、差戻し審の停止申立を提出する許可を得るために審判部に連絡することが可能ですが、審判部は、そのような請求を個々の案件に応じて判断します。特に、最高裁判所の判決が差戻し審での審判部の決定に影響を及ぼすか否かを考慮することができます。()

再審理請求

  • 請求の内容: 審判部の決定に不服がある場合は、再審理を請求することができます。請求書には、審判部が誤解している又は見落としていると当事者が考える全ての事項、また各事項が異議申立、又は答弁で取り扱われた箇所を具体的に特定する必要があります。決定が修正されるべきであることを示す責任は、決定に異議を唱える当事者にあります。
  • 新たな証拠: 「再審理請求で新たな証拠の許可を求めようとする当事者は、新たな証拠を認めるにあたって「正当な理由」 が存在しているとの主張ができるように、再審査請求を提出する前に、まず審判部との電話会議の要請をするのが理想的です。或いは、再審理中に、「正当な理由」 についての主張をすることもできます。」 .(TPG3, 49) (Huawei Device Co., Ltd. v. Optis Cellular Tech., LLC, Case IPR2018-00816, Paper 19 at 4 (PTAB Jan. 8, 2019) から引用) 再審理請求の提出前又は再審理請求中に「正当な理由」の証明がない場合、新たな証拠は認められません。
  • 相手方の応答: 相手方は、審判部からの要求がなければ、再審理請求に対する応答を提出してはなりません。
  • 再審理の決定:「審判部は、相手方による追加説明の必要がない場合には、請求を受領してから約1ヶ月後に再審理を行うかの決定をすることを想定している。」と述べています。(TPG3, 49)

秘密保持命令のガイドライン

  • 目的: 添付書類Bでは、書類の非公開申立て及び秘密保持命令の登録に関するガイダンスが提供されています。(TPG3, 41)当事者らは、規定された秘密保持命令に合意することが奨励され、同意しない場合は、既定の秘密保持命令が使用されます。 (TPG3、59から始まる本第二版で提供されている既定の順序)
  • 秘密保持命令の効力が生じる時期: 「秘密保持命令の効力は、当事者による書類の非公開申立て提出時に生じ、当事者による申立てで正当な理由が示された場合、また、審判部が自発的に示した場合の何れかにより、解除又は修正されるまで、効力を有します。」(TPG3, 50)
  • 内容:秘密保持命令には次に掲げる条件を含める必要があります:
    • 秘密情報の特定方法(TPG3, 51)
    • 秘密情報にアクセスする資格があるのは誰か()
    • 機密情報の保護方法 (TPG3, 52-53)
    • 機密情報の扱い方(例:文書提出時及び文書交換時等)(TPG3, 53-54)
    • 証言を秘密に指定する方法 (TPG3, 54-55)
    • 審判部によって課されるその他の制限 (TPG3, 55)
    • 秘密情報の受領確認 (TPG3, 55-56)
    • 秘密保持命令案の提出 (TPG3, 56)
    • 受領の保持義務 (TPG3, 56)
    • 書類の非公開申立て
    • その他の手続き (TPG3, 57)
    • 秘密書類の破棄(TPG3, 57)
    • 既定の秘密保護命令の修正 (TPG3, 57-58)
  • 既定の秘密保護命令: 第二版では、既存の秘密保護命令の写しが提供されています。(TPG3, 59-64)この保護命令は、第一版の審判実務ガイドにある既定の保護命令と実質的に類似していますが、いくつか改訂と追記があり、「全ての上訴及び申立ての消尽を含めたこの請求の最終処分後60日以内に、秘密情報を受領する各当事者は、情報を提出した当事者に対し、秘密情報の写しを全て返却するか、又は破棄した証明をしなければならない。」という記述が含まれています。(TPG3, 63)

Tags

Patent Trial and Appeal Board (PTAB), AIA trial strategy

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