November 20, 2013
米国連邦取引委員会(FTC)は今月初め、製薬分野の特許の専用実施権をライセンスの有効日前に、FTCおよびアメリカ合衆国司法省反トラスト局に報告しなければならない場合についての改正案を承認し最終版を定めました。改正規則では、「全ての商業上重要な権利」がライセンシーに譲渡された場合に報告義務が生じる可能性があるとし、これは「製造、使用、および販売」を行う権利が譲渡された場合にのみ報告義務があるとする従来の規則に替わるものです。本改正に基づき、FTCへの報告義務が発生する専用実施権ライセンスの件数は増加することが予想されます。
専用実施権ライセンスの報告が必要となるのは、ハート・スコット・ロディノ反トラスト強化法(HSR法)に基づき、当事者の規模や取引規模がある一定の基準を超えた場合です。報告が必要となった場合、当事者は当該専用実施権ライセンスの有効日前の期間(通常30日間)は待機をしなければなりません。これは、反トラスト団体による当該専用実施権の調査期間を確保しておくためです。
改正規則では、HSR法において製薬業界の特許の専用実施権を報告義務の対象となるに十分な権利が譲渡された状況が明文化されています。FTCは本改正規則の適用を製薬会社に限っているものの、他業界の同様のライセンスに対しても、現行法に基づく報告義務の可能性を示唆しています。
11月6日付最終版の改正規則に関するFTCの発表はこちらです。(http://www.ftc.gov/opa/2013/11/pmn.shtm)改正規則は2013年12月16日に有効となります。改正規則本文および改正に関する連邦官報通知はこちらをご覧ください:https://www.federalregister.gov/articles/2013/11/15/2013-27027/premerger-notification-reporting-and-waiting-period-requirements
従来よりFTCは、特許の譲渡および特許に基づき製造、使用、販売を行う専用実施権をHRS法における資産の取得と見なし、報告義務が生じる可能性があるとの姿勢をとってきました。改正規則では、ライセンサーが特許に基づき限定的な製造権や共同権を保持するかは、「商業上重要となる全ての権利」が譲渡され、その専用実施権を報告義務の可能性がある状況に影響しない旨、明文化しています。
FTCは、現行法のもとでは、要件が満たされた場合、特許発明の製造、使用、販売を行う排他的権利を譲渡する専用実施権に報告義務が生じる可能性があると説明しています。しかし、FTCによると製薬業界では製造、使用、販売の全てではないにしろ大部分の権利を譲渡するのはまれなことではありません。例えば、ライセンサーがライセンシーに限って製剤を製造する権利を保持すること、また、ライセンサーがライセンシーに協力するため製剤の開発や、販売促進、マーケティング、商品化を共同で行う権利を保持すること、などです。ライセンサーがこのように権利を一部保持する譲渡はHSR Actに基づき報告する義務があるのか疑問があったところです。
改正規則のもとでは、専用実施権、使用分野制限専用実施権も含めてのライセンスを通じた「全ての商業上重要な権利」の譲渡に報告義務が生じる可能性があります。この権利は、「ある特定の治療領域(或いは、ある治療領域での特定の用途)で、当該特許を使用する専用実施権の譲受人にのみ付与される専用実施権」と定義されています。FTCは、検証で焦点となるのはライセンシーが特許製品や特許技術を商業使用する専用実施権を受理しているかどうかであると説明しています。また、「その場合には、ライセンス料或いは歳入分配の調整等を通じ利益の幾分かの割り当てがあっても、当該専用実施権の譲受人のみが当該専用実施権による収益を生み出すことができる。」と述べています。
例えば、FTCは商業上重要な全ての権利の譲渡が発生する場合として、ライセンサーの保持している権利が、特許製品の開発と商品化においてライセンシーと協力するための共同的権利(「co-rights」)であり、当該特許製品や技術を自社のために商業使用する権利ではない場合、と例に挙げています。同様に、ライセンサーのライセンシーのみを対象とした製品製造の排他的権利の保持には、商業上重要な全ての権利が譲渡されたか否か、報告義務が生じるかの判断には含まれません。
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