リーヒ・スミス米国発明法(AIA)において最も歴史的改定とされているのが先発明主義から先願主義への移行です。2013年2月14日、米国特許商標庁(USPTO)はAIA第3条に制定された「先願主義制度」(FITF)の最終規則を発表しました。同時に、USPTOはAIA先願主義制度実施に向けた審査ガイドラインを公表しています。先願主義への移行および審査ガイドラインの施行日は2013年3月16日です。
AIA第3条に基づく最終規則には、以下を含むいくつかの変更点があります。
本最終規則では、AIAとの一致を図るために施行規則が改正されており、その改正の結果生ずる審査の問題について言及されています。また、本最終規則および審査ガイドラインは2012年7月に公表された規則案のパブリックコメントに応じています。規則案からの重要な変更箇所、また、USPTOが解釈する最終規則の選別した一部を以下に説明いたします。
外国出願証明書の提出期限について
米国特許および米国特許出願に外国出願の出願日の利益を主張する場合、該外国優先権出願の証明書もしくは仮謄本を、米国特許法第111条(a)又は第371条(c)に基づき該出願(米国特許出願)の実際の出願日又は国内段階移行日から4ヶ月以内、又は該外国優先権出願の出願日から16ヶ月以内の期間のいずれか遅い方までに提出しなければなりません。最終規則では、外国出願の証明書が不必要である場合が特に明確化され、以下のとおりの2点です。
現在の参加特許庁は日本特許庁、欧州特許庁、韓国特許庁、また諸外国の特許庁(WIPO)です。
また、最終規則には外国出願証明書の提出が遅れた場合、「正当な理由」の除外規定が記載されています。
2013年3月16日より前に出願された外国出願の
優先権や先の出願日の利益を主張する非仮出願で提出する必要がある陳述書について
Transition Applicationとは、2013年3月16日以降に行われた出願で、2013年3月16日より前に出願された先の出願(例:外国出願、仮出願、通常出願申請、若しくは米国を指定する国際出願)の出願日に基づく優先権を主張する出願を指します。最終規則のもとでは、2013年3月16日以降の有効出願日を有するクレームを含んでいる、若しくは、一度でも含んでいた場合、陳述書を提出する必要があります。新規事項(new subject matter)のTransition Applicationで、2013年3月16日以降の有効出願日に新規事項が記載されていても、該事項へのクレームは含んでいない場合、陳述書の提出は必要ではありません。
USPTOによると、陳述書には、2013年3月16日以降の有効出願日を有するクレームの特定や各々の有効出願日は指定する必要はないとしています。さらに、その陳述書は、現行の施行規則に基づいた新たな新規事項はないとする決定、陳述にも相当するものであるとみなされます。
また、Transition Applicationに2013年3月16日以降の有効出願日を有するクレームを含んでいない、また、含んでいなかったとする出願人による合理的な確信がある場合は、陳述書の提出は必要ないとしています。この「合理的確信」は、出願に際し開示義務を有する者にすでに知られている情報に基づきます。
発明者もしくは発明の主題を発明者から得た者による先行開示に関する
宣誓書および宣言書
最終規則では、(1) 宣誓書および宣言書の帰属、もしくは先の開示を中間開示を非適格とするのに使用するとき、また、(2) そのような宣誓書および宣言書を提出する際の手続要件が明記されています。USPTOによると、最終規則では、先行開示を証明することにより宣誓書および宣言書の提出の手続が柔軟的なものになっています。最終規則では異なる発明者による特許や係属中の出願で、同一の発明、あるいは出願人もしくは特許権者のクレーム発明と実質的には同一の発明を主張する場合、真の発明者決定手続き申請を提出することができるとしています。しかし、最終規則では、状況が適応であっても、真の発明者決定手続申請を提出する必要はないとしています。
中間開示に関する同一の「主題」要件
発明者の開示後、また、発明者による出願の有効出願日前に開示された中間開示は、開示の「主題」が同一である場合、新法102条 (b)(1)(B) 又は 102(b)(2)(B)の例外規定に基づき、先行技術から除外されます。審査ガイドラインには、開示の主題の唯一の差異が、本質的ではない変更、若しくは、些細である、若しくは、自明なバリエーションである場合、これらの規定は適用されないと改めて記述されています。さらに、開示のモード(例:刊行物、使用、販売活動など)が同一、若しくは逐語的開示である必要はない、としています。また、審査ガイドラインには、新法第102条(b)(1)(B)例外規定は、中間開示の主題が単に発明者がすでに開示している主題の概要である場合に適用となると明記されています。
秘密の「販売」若しくは「使用」は先行技術とはならない
審査ガイドラインでは、新法第102条(a)(1)の残留条項である「或いはその他の形で公に利用できるものであったか」という条項について、USPTOは該条項を秘密販売若しくは使用の活動は先行技術に該当しないと見なしていると明確化しています。審査ガイドラインによれば、例えば、個人間で発明者への守秘義務がある場合などは、ある活動(販売、販売の申出、若しくはその他の商業活動など)は秘密(非公開)となります。
しかしながら、USPTOは、「最終的には裁判所が新法第102条と103条の意味についての問題に対処することができると認めています。」とは言っても、審査ガイドラインには、現時点でUSPTOが新法第102条および103条を法律用語と立法経緯に基づきどのように解釈しているかが記載されています。
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